2012年 11月 06日
気分が晴れる傘に変身した「ステッキ雨傘」
11月になリました。
京都はそろそろ山も色づき始め、紅葉を見にこられる観光の方や車も日に日に多くなっています。
今回ご紹介するのは、傘の中棒部分がステッキになった珍しい雨傘の張替えです。
以前、お客様から「足が悪いのでステッキにもなるような雨傘も作って欲しい・・・」とご要望をいただいたこともありますが、作られているところはあったのですね。
張替えというのは、普通の傘の形でも骨の製造国・年代・会社によって規格が様々で、その骨によって傘の生地の裁断型も変わってくるので本当に難しい作業です。
当店で張替えのご依頼をお受けするときは親骨の長さや間数・中棒の太さをご連絡いただき、数字上で可能と判断させていただいてから傘を送っていただくのですが、今回お送りいただいたとき「ステッキになっている!」と驚きましたが、中棒がステッキになっている以外は殆ど通常の傘のつくりと変わりもなく、太さもフォルムも問題がなかったので順調に張替えが出来ました。
「きれいな色で気に入りました。
持ち歩くのが楽しみです。」
「もう一本の傘も、いずれ張替をお願いするとして、自分用に新しい傘を買うことはもう無さそうです。」と仰っていただき、愛着の持てるものを大切に永くお使いいただけることをとても嬉しく思います。
長傘(雨傘張替え・傘生地 キュプラ100% 紋 ペールグリーン)
*生地以外の骨・石突・露先などは元のものを使用
大切にお使いいただいていても、傘は使うもので消耗品であるという側面から、どうしても生地の焼けや傷みは避けられません。そして使い方が間違っていれば生地が破れたり、防水が剥げてきたり、骨が曲ったり錆びたりします。
でも、しっかりと丁寧にお使いいただいていると上の生地を張り替えるだけで半永久的に使い続けられるという可能性も持っています。
傘に限らず、ずっと大切にお使いいただけるように・・・という想いが少しづつ浸透して、昔の日本のように丁寧に大切に物を扱い[mottainai]がまた普通のことになったらいいな・・・と日々思っています。
ORDER MADE UMBRELLA 小野内商店
http://www.onouchi-kyoto.com